住宅を購入する際には、現金一括で購入しない限りは住宅ローンを利用することになります。
中古住宅の購入を検討している人の中には、中古住宅と新築で住宅ローンの審査に違いがあるのか気になる人もいるのではないでしょうか。
そこで今回は中古住宅と新築での住宅ローン審査の違いについてや、中古住宅での住宅ローン審査の流れ、住宅ローンを組むためのポイントなどを踏まえて解説していきます。
中古住宅と新築の銀行のローン審査の違い
中古住宅と新築では、ローン審査の内容自体は同様のものとなります。
しかし、中古住宅と新築では物件の担保価値に差が出てくるため、担保価値が低くなりがちな中古住宅は、新築よりもややローン審査に通りづらいのが現状です。
また、返済期間にも違いが出てくる場合があります。
新築は基本的に最長で35年をローン返済期間とすることができますが、中古住宅の場合、一部の住宅ローンでは返済期間が35年よりも短く設定されていることがあります。
返済期間が短いということはその分毎月の返済額が高くなってしまうため、金銭的負担が大きくなってしまうのです。
申込条件を設けている金融機関もある
住宅ローンの申込条件は金融機関によって異なります。
金融機関によっては、築年数を申込条件としている場合があります。
例えば、「築年数が30年以内のものであること」などです。
ただし、築年数が古くても利用できる住宅ローンには注意点もあります。
住宅ローン借入額の判断材料は、契約者の収入や就業状態のほかに、物件の担保価値も重要となってきます。
担保価値は不動産会社が判定しますが、中古住宅は新築に比べるとどうしても担保価値が低くなってしまいます。
そのため、新築の場合よりも住宅ローンの借入額が少なくなってしまう場合があるのです。
審査の基準は法令を守った建物であること
住宅ローンは、法令を守った建物でなければ審査を通ることはできません。
新築ならば問題ないのですが、築年数の古い中古住宅の場合は現在の建築基準法で定められた基準を満たしていない場合があるのです。
特に注意したいのは、昭和56年以前に建てられた中古住宅です。
理由としては、現在の建築基準法に改正されたのが昭和56年のため、昭和56年以前に建てられた中古住宅は現在の建築基準法の基準を満たしていない可能性があるためです。
住宅ローンは基本的に建築基準法に則って建てられていることを審査条件としているため、築年数の古い中古住宅は住宅ローンを組むことができない場合があるので注意しておきましょう。
中古住宅の住宅ローン審査の内容
では実際に中古住宅の住宅ローン審査はどのような内容、流れで進んでいくのでしょうか。
審査の流れや必要書類、審査で見られる点について順に詳しく見ていきましょう。
審査の流れ
購入を希望する住宅が見つかったら、まずは金融機関に審査の申込をします。
審査の流れとしては、初めに仮審査が行われ、数日~1週間ほどで結果が通知されます。
仮審査は主に返済能力を重視した審査となります。
金融機関の立場からすると返済能力は特に重視するべき点となります。
そのため、仮審査に通るということは十分な返済能力があると判断されたということになるため、本審査もそのまま通ることが多い傾向にあります。
次に本審査が行われます。
本審査は1か月~2か月ほどで結果が通知されます。
先述したように仮審査に通っているため本審査はそのまま通ることが多いのですが、仮審査から本審査の間に仮審査の結果がひっくり返るようなことが発生した場合はその限りではありません。
具体的には、転職による雇用形態の変化や、離婚などによる家族構成の変化です。
転職や離婚などは、なるべく本審査通過後に実行するようにしましょう。
審査に必要な書類
審査に必要な書類は金融機関によって異なりますが、主に以下のような書類が必要となります。
仮審査に必要な書類は、運転免許証などの「本人確認書類」、見積書や建物の図面などの「物件資料」、源泉徴収票や確定申告書などの「収入を証明する書類」となります。
また、他に借入がある場合は償還予定表や残高証明書が必要となります。
本審査に必要な書類は「借入申込書」、団体信用生命保険に加入する場合は「団体信用生命保険申込書兼告知書」、運転免許証などの「本人確認書類」、源泉徴収票や確定申告書などの「収入を証明する書類」「住民票」「印鑑証明書」となります。
本審査も仮審査同様、他に借入がある場合は償還予定表や残高証明書が必要となります。
審査の際にはさまざまな書類が必要となるため、早めに準備しておくことをおすすめします。
審査で見られる点
仮審査では、主に返済能力が審査基準となります。
収入や職業などから総合的に判断されます。
収入や職業が基準を満たしていても仮審査に落ちてしまう場合がありますが、これにはいくつかの理由が考えられます。
審査に落ちる可能性が最も高いのは信用情報に傷がある場合です。
クレジットカードの支払いや奨学金の返済を滞納してしまうと、ブラックリストに登録されてしまい、震災に通らなくなる可能性が出てきます。
また、返済中のローンがある場合も審査に落ちる可能性が出てきます。
住宅ローンの仮審査では「返済額が年収の何割になるか」が重要視されます。
この返済額に関しては、住宅ローンの返済額だけでなくその他ローンの返済額も含めて審査されます。
そのため、返済中のローンがある場合は、返済額が年収に対して高額となってしまうため、審査に落ちてしまうのです。
本審査では、仮審査の審査基準に加えて雇用形態や健康状態などから総合的に判断されます。
先述したように、仮審査時点から大きな変化がない限りは基本的に本審査は通ることができるでしょう。
中古住宅で住宅ローンを組むためのポイント
中古住宅は新築より担保価値が低いため、新築よりもやや住宅ローンの審査が通りづらくなっています。
では、中古住宅で住宅ローンを組むためのポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。
一つずつ詳しく見ていきましょう。
頭金を増やす
中古住宅は新築より担保価値が低いため、審査に落ちてしまったり、審査に通ったとしても借入額が希望の金額より少ないといった場合があります。
そのような場合に頭金を増やすことで、借入額自体を抑えることができるため、審査に通りやすくなります。
しかし、住宅購入には住宅自体の価格だけでなく諸費用も必要となってくるため、無理に頭金を増やそうとすると、諸費用が不足してしまうような事態も考えられます。
諸費用がどの程度必要かも考慮しながら、どこまで頭金を増やしても大丈夫なのかをあらかじめ把握しておくことが大切です。
借入やクレジットカードで滞納しない
住宅ローンの審査において、借入やクレジットカードの利用状況といった「個人信用情報」は特に重視される項目です。
クレジットカードの利用状況を例に挙げると、61日以上滞納している場合は審査にほぼ確実に落ちてしまいますし、数日の滞納であっても借入枠が減ったり審査に落ちてしまう場合があります。
また、分割払いやリボ払いの未返済残高がある場合も借入額の減少につながってしまいます。
特に61日以上滞納してしまった場合は、完済したとしても5年間は住宅ローンを組むことができなくなってしまいます。
61日未満の滞納なら滞納理由を事前に申告・交渉することで、審査の際に考慮してもらえる可能性があります。
当然のことですが、虚偽の申告は審査時にバレてしまいますので厳禁です。
複数銀行に審査を申し込む
金融機関によって審査基準は異なるため、審査が厳しい金融機関もあれば緩い金融機関もあります。
審査に通るか不安な場合は、複数の金融機関に審査を申し込むとよいでしょう。
本審査は審査にかかる日数が長くなってしまいますが、仮審査であれば長くても1週間ほどで審査結果がわかるため、複数銀行に審査を申し込むことは理に適っています。
審査に通った金融機関の中から最も条件の良い金融機関を選ぶことで、無駄なく効率的に住宅ローンの融資を受けることができるでしょう。
審査中に新たに借入をしない
審査中にはなるべく新たに借入をしないようにしましょう。
先述したように、返済中のローンがあると審査に落ちる可能性が高まってしまうためです。
せっかく仮審査を通っていても、本審査前に新たに借入をしてしまったことが原因で本審査に落ちてしまうかもしれません。
審査中に新たに借入をする行為にはデメリットしかないため、新たに借入をするなら本審査に通ってからにしましょう。
中古住宅の住宅ローン審査の注意点
最後に、中古住宅の住宅ローン審査の注意点について見ていきましょう。
新築の場合にはない中古住宅特有の注意点がいくつかあるため、住宅ローン審査をスムーズに通過するためにも注意点についてしっかり把握しておきましょう。
増改築を行っている場合
建築した時には建築基準法の基準内だったとしても、増改築によって基準を満たさなくなってしまう場合があります。
審査に必要な書類の中に物件資料が含まれている理由は、物件資料によって増改築の履歴が確認できるためです。
また、増改築で建物の面積が増えていたとしても、実際に登記を行っていなければ、謄本や図面上では面積が増えたことはわからないということになってしまいます。
そのため、中古住宅の場合は、住宅ローンを申し込む前に増改築の履歴についてあらかじめ売主に確認しておくとよいでしょう。
境界が確定しているか
中古住宅の場合、境界が確定しているかも問題となってくる場合があります。
築年数が古い建物だと測量図面がないために境界があいまいになってしまっていたり、建築から現在に至るまでに道路が変わっていたりすることがあるためです。
また、測量図面があったとしても、現在との測量技術の差により、境界や面積に差異が生まれることもあります。
これらの注意点については、提出書類だけでは確認できない場合もあり、その場合は追加資料の提出が必要となってしまうため、その分審査にも時間がかかってしまいます。
まとめ
この記事では、中古住宅と新築での住宅ローン審査の違いについて、詳しく紹介してきました。
もし住宅ローン審査について、さらに詳しいことを知りたい、またはプロの意見を聞きたいという場合は江古田プランニング株式会社にお問い合わせください。
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